マルロの不思議話2 選択的夫婦別姓の是非

占いに関係なく、日々の出来事、なかでも腑に落ちないこと、不思議に思うこと、幸せに感じたことに焦点を当て、記事にするマルロの不思議話シリーズとして記事にしています。
ねじれ国会で予算成立と引き換えに「選択的夫婦別姓」制度の是非が国会で取り扱われると予想されますので、第二弾は「夫婦別姓」について取り上げたいと思います。

夫婦同姓で困る人の意見

夫婦別姓は、「選択的夫婦別姓だから、いいんじゃない」という人は多くいます。
「困っている人がいるのだから、その人に寄り添って…」
寄り添うことは占い師にとっても大切です。

困っている人を想像してみると、
 1.配偶者の姓を名乗りたくない
 2.どちらかの姓へ変更することが不平等
 3.姓を変更した側の手続きが煩雑
 4.姓を変更した側が仕事で不利になる
 5.姓を変更した側が結婚の事実が周知される
 6.本当は事実婚でいいが結婚すれば制度的に有利になるから結婚したい、でも同姓が嫌だ
このくらいでしょうか。

困っていない人を困っている人の意見にこたえる形で想像してみると、
 1.配偶者の姓を名乗りたい、一緒なのがむしろ良い
 2.どちらかの姓へ変更するが、旧姓利用もできるし、2つ姓を使い分けられて便利な場面のある
 3.姓を変更した側の手続きが煩雑なのは確か
 4.姓を変更した側も仕事でも旧姓を使い続けられるので事実上問題ない
 5.姓を変更した側が結婚の事実が周知されることに意義がある、反対している人は浮気性なの?
 6.結婚すれば制度的に優遇されるのだから別姓で支障がない
こんなものでしょうか。

実質的に障害になっているのは3番という事になりますね。

通称利用届を出せば旧姓であれば利用が認められますから、直ちに困るものはないかもしれません。

総裁選に立候補されていた高市早苗が総務大臣時代に数千に及ぶ旧姓の利用を阻む書類について旧姓利用が出来るように変更をされています。その証拠に、総裁選に「高市早苗」で立候補されていましたし、総務大臣名も「高市早苗」でしたね。戸籍名は、「山本早苗」さんです。

夫婦別姓制度に反対しているのは1%未満

令和3年に行われた世論調査によると、夫婦の姓は同じで良いが約29%、同じ方が良いが21%、別でも良いのではないかが約19%で、別々でなければならない人が0.7%でした。これを賛成反対で言い換えれば、賛成58%、反対40%、分からないが2%となります。

困っている人が0.7%だけなのです。

そしてその理由が、先に挙げたような内容…
つまり、生理的な「嫌」に帰結するようです。
理由がなんとも、とほほ…です。

世界の戸籍事情

マルロは家族の死をきっかけに、家系図を作成することを思いつき、現存する戸籍を全て取り寄せたことがあります。という事で戸籍についても調べてみました。

マルロの調べによれば、世界の戸籍と夫婦別姓、夫婦に氏、子供の氏、お墓事情は図の通りです。。間違いもあるお思います、ご指摘ください。

調べた国の中で戸籍制度があるのは日本と中国だけでした。台湾にも日本と同じような戸籍がありましたが、廃止され住民票制度に統廃合されたようです。韓国も日本統治時代には戸籍制度がありそれを引き継いで運用されたようですが、2008年に廃止され家族関係登録制度に切り替わっています。

中国に残されている戸籍制度は、都市戸籍と農民戸籍があり、差別的です。

民主国家で世界最古の戸籍が、日本の戸籍制度となる訳です。
日本国と同じで、国も現存する最古なら戸籍制度も現存する最古となる訳です。日本の戸籍は、1871年からとしていますが、あまねくすべての国民を対象となった。しかし、お寺などに保存されている「過去帳」を遡れば500年遡れる家系も珍しくありません。明治維新以降、藩やお寺が住民の管理をしなくなりましたから、それを引き継いだのが今の戸籍制度と言えます。
なんかすごい制度ですね。

世界の夫婦姓の事情

日本はどちらかの姓となっている他、サウジアラビアは夫の氏、その他は別姓でした。日本は昭和22年の民法改正から、どちらかの姓に変更されています。

夫の氏はイスラム教徒と推測すると世界の22%程度ですから、世界の人口で言えば、夫の姓(22%)、どちらか(1.5%)、そもそも別(76.5%)の3つに分かれることになります。

また世界一のマイノリティとなる訳です。とても貴重な存在です。これって絶滅危惧種です。

イギリスは姓を、創作できるようですから、こうなると「私は何家の何々で」といった言い方は、王家以外あってないようなものです。

日本ではミドルネームは一般的ではありませんが、結婚前の姓をミドルネームに収めるルールもよく見かけます。日本では国際結婚の際にミドルネームに旧姓加えるケースを見かけますよね。

世界の子供の姓の事情

子供の姓は、台湾の例がユニークです。事前に父母のどちらかの姓に決められない場合は、抽選になるようです。この情報に触れて、もし日本に夫婦別姓制度が導入された場合の子供姓が気になるようになりました。

結婚の際に両家族の了解のもと夫婦の姓が決定される今は、夫婦の姓が子供の姓と同じになります。しかし、夫婦別姓を選択した場合、子供の姓は都度々々協議が必要となる。

日本に向きますかね?何事も揉めたくない国民性ですよ。
だから台湾では抽選なのかと思ってしまいました。

そして兄弟姉妹が多い場合ですよ。苗字が兄弟姉妹で違う…
病院って苗字が同じでないお見舞いすら怪しまれるでしょう?病院も家族関係を管理するの大変ですね。

世界のお墓事情

日本のお墓は、「○○之家の墓」の様に夫婦単位、家族単位で葬られる。「死んだら同じお墓に入りたい」であるとか、同じお墓に入る連帯性が見られます。逆に「同じお墓に入るなんてまっぴらごめん」なんて意見も聞かれます。

もちろん墓標にキャッチフレーズなどを掘って、埋葬すれば苗字は関係ないといった今風の墓石も見かけます。

とは言え、夫婦別姓が導入された時に、後でお墓の面倒を見る者は少し困った事態になるかもしれません。

まあ死んでしまえは分からないので、別姓を名乗っていた夫婦も、同じ姓のお墓に入れちゃう遺族もいるかもしれませんね。

私なら、こだわりが強い夫婦であればあるほど、お墓の面倒を見る立場になったら、同じお墓に入れたくなります。(笑)

世界を眺めてみると、土葬がまだまだメジャーです。広い国土だと気にならないのでしょう。土葬だとなおさら同じ墓に入るのは難しそうです。そんなことを考えていたらブラジルでは、地下に掘った倉庫のような空間に家族で土葬して、数年たって骨を回収し骨壺に収め、ファミリで1か所に葬る国もあるようです。

外国人の愛情表現が大げさな理由

日本人の愛情表現が希薄なことは周知のことと思います。そして欧米の映画や韓流ドラマを見ると、日本人男性には真似が難く思えます。

各国の事情を収集しながら見えたことは、戸籍があり家に所属し、お墓も同じお墓に入る日本とそれ以外とでは、家族という単位への帰属が違うのではないかと思う様になりました。

イスラムを除く他の国ですと、生まれて育つ間も個を重視した家族で暮らし、結婚の期間は2人、死後は1人、そんな家族観です。日本に目をやると、生まれて育つ間は一つの家族で暮らし、結婚を機に新たな家を作る、死後はその作った家単位で埋葬される家族観といえるでしょう。

だからこそ「家族なんだから過剰な愛情表現は必要ない」と思う男性も多いのではないかと思うに至りました。

はい、いい訳です…

アメリカの選挙制度と日本の選挙制度の違い

戸籍制度を調べた副産物として、いままで見えてこなかった日本と日本以外の国の選挙制度が違うことが理解出来ました。

日本で選挙が行われる場合に、住民票を移して一定の期間が過ぎれば、選挙の2週間前には封筒が届き、引換券に様なものが届きます。期日前投票もできますし、投票日当日に指定の投票所に足を運べば、誕生日を確認され投票行動に移ります。

説明しなくてもご存知の通りですね。


アメリカの大統領選を見てみると、そもそも戸籍も住民票もありません。つまり誰が国民か、家族構成も誕生日も、どこに住んでいるのかも分からない国がアメリカです。アメリカだけではなく、大多数の国がこのスタンス…かなり驚きます。それりゃ、銃を常備したくなりますよね。有権者の数すら分からないですよね?

大統領選に参加したい投票権のある人は、選挙人登録を行うようです。役所に行って、「私は投票したいので身分を登録します」といった具合。それで郵便で引換券を投票所にもっていって、週によっては身分証明書と照合して投票する。投票の方法などは週ごとに違うらしいのです。そりゃ大統領選が盛り上がる訳ですよ。

そして、毎年選挙人登録をする訳ではないですから、住民票がないアメリカでは、前の住人の引換券も、前の前の住人の引換券も届きます。ですからコロナ真っ只中の郵便投票ではまとめて数人分投票した人も居たはずです。

これですこれ、2020年の推定有権者数を大幅に上回る投票総数になったカラクリです。

夫婦別姓の賛否

マルロとしては、長く続いている制度であっても、それが多くに人にとって大問題になっていること、上手く行っていないことであれば修正すれば良いと思います。例えば、敗戦までは女性が国会議員など一部の職業に就けないなどは、修正されてしかるべき問題だったと言えます。この場合は、女性が明らかに不当な扱いを受けていたわけですから、国民の半数が対象です。

しかし、1%にも満たない人の要望と先人が築いた歴史を天秤にかけた時に、マルロは賛成の立場を取り得ません。

仮に選択的夫婦別姓制度が開始されれば、流行りものの好きな日本人は、別姓を流行らすことでしょう。悪気もなく。

唯一無二の制度を壊してしまいたい勢力や活動家は確実に存在します。足がかりとして、選択的夫婦別姓制度を応援しています。

戸籍のないアメリカは、生まれた人を管理するリスト、結婚したこと管理するリスト、離婚したことを管理するリスト、死んだことを管理するリストが独立して存在します。紐付いていません。

一見、気楽な様に見えます。死んでも気付かれません。密入国してもすぐには分かりません。結婚しても分かりせん。重婚しても分かりません。ですから家族関係が良く分かりません。問題が発生すれば裁判するしかありません。

こんな世界へ日本人は本当に足を踏み入れたのでしょうか。

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